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眼科お役立ち情報

眼科の視力検査について

皆さんは視力検査と聞くと裸眼(コンタクトや眼鏡をつけない状態)での視力検査やコンタクトや眼鏡をつけた状態でどのくらい見えているかを調べる検査だと第一に思うと思います。それは間違っていないのですが、眼科の視力検査は少し違うのです。

眼科の視力検査はしっかりとした眼鏡の度数をいれて1.0以上の視力が出るかを見る検査といったほうが正しいのです。

何も異常がない眼ですと、基本しっかりと視力が1.0以上出るといわれています。逆にどんなに眼鏡の度数を入れても1.0未満の視力ですと、何か眼に病気があると疑われます。いってしまえば眼科の視力検査は眼に異常が無いかをスクリーニング(チェック)する検査といっても過言ではありません。

裸眼の視力が0.1でも眼鏡をかけて1.0以上の視力が出ることは病的とはいえません。逆に裸眼の視力が0.8でも眼鏡をかけても0.8しか見えないことは病気が隠れている可能性があります。

自分の眼は大丈夫だろうか?と疑問に思ったらまず眼科で視力検査を受けてみましょう。

正視(せいし)について

今回は、正視(せいし)についてです。
正視とは、眼に屈折異常がない状態です。屈折異常とは近視・遠視・乱視をいいます。
メガネやコンタクトレンズを使用しない状態での視力は1.0以上あります。
この時の条件としては、眼の中の筋肉がリラックスしていることです。

視力が1.0以上あっても、遠視が隠れている場合がありますので、「眼が疲れる」などの症状がある方は眼科での視力検査をおすすめします。

強度近視について

一般的に―6.00D以上の近視を強度近視と呼んでいるのですが、強度近視の方は目の構造上、視力に影響するような重篤な病気を引き起こしやすいといわれています。

強度近視の方は通常の近視の方に比べて目の奥の軸(眼軸)が長くなっています。そのため、物を見る重要な網膜(もうまく)という場所が引っ張られやすく、網膜に穴が開いたり(網膜裂孔)、網膜が剥がれたり(網膜はく離)することがあります。

前兆としては、目の前に黒い点が急に見えた。以前から黒い点が見えている方は急に数が増えたり、黒い点が急に大きくなった。急激に視力が落ちたということがあげられます。

網膜裂孔も網膜はく離も放っておくと最悪の場合失明してしまう恐ろしい病気です。逆に早期に発見できれば、後遺症を必要最低限に抑えて治療することが可能です。
そのため、特に近視の強い方は定期的に「眼底検査(がんていけんさ)」を受けることをお勧めします。

眼底検査は「散瞳剤(さんどうざい)」という瞳孔を広げる目薬を点眼して、30分ほどお待ちいただいた後、目の奥を詳しく見る検査です。この検査で網膜裂孔や網膜はく離が無いかを調べることが出来ます(その他にもいろいろわかることはありますが・・・)。

ただし、この検査、検査後に薬の影響力が残ってしまうので、6、7時間(薬剤によって異なります)瞳孔が開きっぱなしになるので、手元が見えにくかったり、光がまぶしく感じてしまったりしてしまいます。
そのため、車や自転車の運転をすることが出来なくなってしまうのですね。

いろいろ制約があって面倒だと思うかもしれませんが、自分の眼を大切にするためにも、近視の強い方もそうでない方も一度眼科で相談してみてください。

コンタクトレンズの注意点

装用時間
眼科医から指示された装用時間を守ることが大切です。装用時間には個人差がありますが、一般には1日12時間以内、週6日以内の装用におさえていただきます。
定期検査
自覚症状がなくとも、眼科医から指示された定期検査を必ず受けるようにしましょう。定期検査の期間は一般に3ヶ月といわれています。レンズの装用にあたり、少しでも異常を感じましたら、すぐに眼科を受診しましょう。また、コンタクトレンズを使用する際には、装用時間を減らし、目の負担を減らすために眼鏡との併用が重要になります。
レンズの種類
コンタクトレンズを装用していると涙による洗浄効果が低下し、アレルギーの元となる花粉が目の中に停滞しやすくなります。コンタクトレンズを快適に使い、目を健康に保つ為には、毎日新しいレンズに変えられる1日使い捨てタイプがお勧めです。
また、コンタクトレンズを選ぶ際に「イオン性」か「非イオン性」かというのがあります。一般的に、「非イオン性」のコンタクトレンズはたんぱく質や脂質を寄せ付けず、花粉もつきにくいです。

毎年花粉症に悩まされている方は、選ぶ際にレンズの種類や特徴を聞いてみて、「1日使い捨てタイプ」で「非イオン性」のお勧めのレンズを試してみても良いかもしれませんね

コンタクトレンズ関連疾患
汚れたり合わなくなったコンタクトレンズを使用したり、無理して長時間装用したりすると、角膜(黒目)に極端な酸素不足が生じます。極端な酸素不足が角膜におきると、角膜の一番大事な奥(内側)の角膜内皮細胞が、少しずつ死んで角膜内皮細胞が減少します。内皮細胞は新しくできず、元の状態に戻らない大事な細胞です。減少すると一つ一つの角膜内皮細胞が大きくなり、大きさも不揃いになります。

写真:角膜内皮細胞

角膜内皮細胞が減少し始めると、角膜が弱くなります。角膜潰瘍等の視力障害をおこす病気を発生しやすくなります。自覚症状はないので、調子が良くても3ヶ月に1度の定期診察を必ず受けるようにしましょう。

レーシックについて

近年、よくレーシックの話題がTV等のメディアに出ています。
では実際にレーシックってどんなものか、ご存知ですか?

簡単に言ってしまうとレーザー光線で角膜を削り角膜のカーブを変えて、近視等の屈折異常を矯正する手術です。
やはり気になるのはメリット・デメリットはどうなのか?だと思います。
まずはメリット・デメリットについていくつかあげていきます。

■メリット
・ メガネやコンタクトレンズから開放される
・ スポーツをする方の負担や支障が少なくなる
・ 眼精疲労や肩こりの軽減(個人差にもよるようですが…)
■デメリット
・ 正常な眼圧測定ができなくなる
・ 白内障の手術をする際に困難になってしまうことがある
・ 術後に角膜が混濁する事が、まれにある。
・ 夜間等に見え方がまぶしくなることがある
・ ドライアイになる(これも個人差によるようですが…)

あくまで「手術」なので合併症やリスクは伴います。
また、保険外診療になりますので、完全に自費になります。
レーシックを考えている皆様…
ご自分の大切な目です。
よくお考えになってから検討してください。

絵指標とドットカードについて

今回は、幼児やランドルト環での視力検査が難しいお子様の検査に使用する、「絵指標」や「ドットカード」についてです。

「絵指標」による視力検査は、指標に黒の絵(チョウ・とり・さかな・イヌ)が書いてあり、その名前を言ってもらうことで検査します。小さいお子様の視力検査に使用します。ランドルト環よりよい視力が出ることが多いので、この視力は参考値として判断します。

「ドットカード(点視力)」による視力検査は、動物(ウサギ・くま)の目の部分が指標(目の大きさが違う)になっていて、目があるかどうかを子どもに尋ねる検査です。目がどこにあるか指でさしてもらったり、目があるかどうか言葉で答えてもらいます。30cmの近距離で検査をします。
こちらも視力値は参考値として判断します。

視力測定をする際には、特にお子様の場合は、集中力が続かずにあきてしまう場合があるので、手早く行わなければなりません。

学校検診

新学期になると多くの学校で検診が行われ、お子様が検診の結果を持ってきているかと思われます。
ここで簡単に学校検診の結果について説明いたしましょう。

A(1.0以上)
教室の一番後ろの席にいても黒板の文字が読むことができる。
B(0.7~0.9)
教室の真ん中より後ろの席にいても黒板の文字がだいたい読めるが、小さい文字だと見にくいこともある。
C(0.3~0.6)
教室の真ん中より前の席にいても小さい文字があまり読めない。
D(0.2以下)
一番前の席に座っても眼鏡などがないと読めない。

学校検診では370方式という検査を用いて上記のように大まかに振り分けています。
眼科では詳しく視力検査を行い、視力を測定しています。
判定がBの場合は、調節緊張による事も多く、治療により、視力が回復する方も多数います。
さらに近視が進まない様に治療が必要です。
生活環境によっては眼鏡を使用したほうがよい場合もあります。
早めの受診をお勧めいたします

子どもの視力

お子様の場合、視力が悪い状態をそのままにしてしまうと、視力の発達に悪影響を与えてしまいます。

子どもの視力低下を発見するには?
(1)テレビやゲーム、絵本を近くで見る
(2)目を細めて見る
(3)集中力・根気がない(近くが見づらい場合など)
(4)横目で見る
(5)目をこする
(6)よく転ぶ(見えづらさが原因の場合もある)

このようなことが頻繁にあれば、視力低下を疑ってみてください。
子どもの視力は、成長につれてよくなります。成長途上の子どもは、視力も発達途上にあります。実際に大人と同じような視力1.2になるのは、6歳と言われています。

<視力の発達>
生後3ヶ月 → 視力0.01~0.02

生後6ヶ月 →   0.02~0.05
生後8ヶ月 →   0.1
1歳半   →   0.4
3歳    →   0.7~0.9
5歳    →   1.0~1.2
6歳    →   1.2

お子様が学校から「眼科で詳しく視力検査を受けてください」という旨の書類を渡されることがあります。

この書類を受け取られましたら、必ず眼科を受診することをお勧めします。学校での視力検査では、眼の細部までを専門医が検査することはなく、検査の結果、お子様の視力が正常なのか、近視または遠視なのか、または「仮性近視」と呼ばれるものなのかが、正確に判断できないためです。

「仮性近視」とは?
近くを見続けてしまうと、眼のピントを調節する毛様体が緊張した状態が続いてしまい、凝り固まってしまいます。すると、ピントが近くに合ったままになってしまい、遠くが見えづらくなります。
この状態を「仮性近視」といいます。
この状態で通常の視力検査を受けると、本当の視力よりも近視が強く出てしまう傾向にあります。正確な視力を出すためには、毛様体の緊張を解く目薬を点眼した上で視力検査をする必要があるのです。現代のお子様は、勉強に加え、携帯ゲーム機の普及などもあり、近くを見続ける機会が非常に増えています。
仮性近視の状態で眼鏡を作ってしまうと、本来の視力とかけ離れた度数の眼鏡になってしまう可能性があります。
学校書類を渡されましたら、仮性近視を疑って、まずは眼科を受診するようにしましょう。